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「置き配」の性質と注意点
2022/03/17

まん延防止等重点措置が21日をもって今措置をとっているすべての県で解除されることとなり、またwithコロナの動きとして濃厚接触者は必ずしも自宅待機しなくてよくなるなど、経済が活発になる期待もされているところですが、ホッとするとどこか気が緩むもので、リラックスできることは悪いことではありませんが、漫然とならないよう気を引き締めていかないといけませんね。

今回はコロナ禍の中でうまれ、今後も利用は多くあるであろう「置き配」がどういったものであるかについて改めて確認しておきたいと思います。

 
 
「置き配」は受取人が指定した場所に荷物を置いてくる配達方法の一つです。
トラブルのもとが多いとされるこの方法はこれまで御法度とされてきましたが、このコロナ禍において感染予防対策として大手ECサイトであるAmazonが解禁・推奨したことから注目され瞬く間に広がりました。
再配達の手間なく荷物が配達完了できるという点で配達ドライバーと受取人の双方にメリットがあります。
しかしもともとデメリットも多い配達方法のため、同時に配達ドライバーが注意すべき点や受取人が理解しておくべきリスクも多々あります。

 
例えば置き配が解禁されて以降、あちこちで下記のような置き配トラブルが起きています。

・配達したとのメールが届いたが、荷物を置いた写真の添付はなく荷物も置かれていなかった
・応対を避けるために置き配を指定したのにインターホンを鳴らして手渡ししてきた配達員に困惑した
・雨の日に在宅していたのに荷物を置いて行かれ購入した商品が濡れてしまっていた
・ドアが開く軌道に荷物が置かれていてドアが少ししか開かず、家に閉じ込められた

これらは一部ではありますが、いろいろなクレームがきていることがわかります。
では具体的にどういったリスクがあり、配達ドライバーや受取人はどのようなことに注意する必要があるのでしょうか?

 
【盗難される可能性】
置き配の一番のリスクです。
受取人はできる限り安全な置き配場所を確保・指定したり、在宅している場合は配達されたらすぐ家に入れるなどの対策をすべきです。
配達ドライバーは指定場所が玄関先など人の目につきやすい場所の場合、その中でも端に寄せるなどして目立たないようにしましょう。宅配ボックスを設置してあるお宅であっても特に暗証番号式のものは、配達員が残していった暗証番号とボックスナンバーを手に入れ持ち去られた事例が実際あるそうなので油断はできません。
ちなみに指定された場所に正規の方法できちんと配達した荷物が盗難されてしまった場合、配達ドライバーの責任にはなりません。もしお客様からそういった荷物の問い合わせがあった時はECサイトや配送会社の問い合わせ窓口を案内します。

 
【誤配のリスクが対面の配達より高い】
置き配は確実に荷物配達完了できる一方で、荷物の受取人に直接住所や宛名を確認することがないので誤配のリスクが増えます。
分譲住宅などでは、一つの家に対して一つ又はそれ以上の土地があるのが普通なので、隣の家と同じ住所になることはまずありませんが、広い土地を持つ大家さんが同敷地内にたくさん借家をもっているような場合は同じ住所に数軒あることもありますし、古くからある地域では同じ名字の家が並んでいることや、表札がない家や表札の名字は受取人の旧姓であったり、伝票の漢字が読めないといったこともあって、配達先のお宅が特定しづらく似かよっていて間違いやすい場合があります。このような場合、配達ドライバーは置き配指定であってもインターホンを鳴らし理由を述べて受取人確認をさせてもらいましょう。間違えて大きなクレームに繋がるよりかはずっと良いはずです。
受取人(この場合は商品の注文などで同時に依頼人の場合ですが)はしっかりと住所はわかりやすく(○○地内など)記載し、表札や目印をつけておくなど配達ドライバーが迷うことのないような準備は必要だと思います。「置き配なのにインターホン鳴らしてきた」と怒るのではなく、配達ドライバーの配慮であると受け止める理解もすべきです。

 
【荷物の濡れ・紛失・損傷のリスク】
置き配を頻繁に利用する人も増え、今では宅配ボックスやワイヤー付き宅配袋などを設置しているお宅もありますが、場所によっては天気が崩れた時に荷物が雨で濡れてしまったり風で飛ばされて紛失してしまう可能性や、陽のあたる場所に食品や高温に弱い品物の荷物を置いておくことで品質を損なわせる可能性があったりします。
配達ドライバーはそれらを考慮し、指定された場所の中でも屋根のある場所や陽のあたらない場所に置く、風が強い時は壁に寄せる・可能なら括りつける、あらかじめビニールシートや大きなビニール袋を用意しておき、雨が降っているまたは心配な場合はそれらをかぶせたり包むなどの配慮が必要です。大雨の状況下では持ち戻るほうが無難でしょう。その時には不在票にその旨を忘れずに記入しましょう。
受取人も急な天候の変化などでタイミングが悪かった場合に、置き配の予定だった荷物の持ち戻りもあることを知っておきましょう。食品の置き配はそもそも不可のところもありますが、食品に限らず受取人が置き配指定になっていることに気づかず注文しているケースもあるようです。注文した品物と配達方法はその都度確認するようにしてください。

 
【防犯やルールの観点から置き配できない場合もある】
配達ドライバーは指定の場所に入れない場合や、すでに他の荷物が置いてあったり、どう考えても安全ではないなどで荷物を置けないと判断した時は無理に置き配せず、声をかけ不在であれば持ち戻りましょう。
例えば、マンション・アパート・団地等では管理組合によって定められた規約があり、受取人が置き配指定していてもそのルールに従った置き配でないといけません。そのためルールに反していれば受付などで受け取りを拒否されるようなこともあります。
大手ECサイトや各宅配業者では、それぞれ置き配できない場所や荷物・置き配の条件を設定しています。配達ドライバーも受取人もその内容をしっかり理解した上で、置き配ができるかどうかを判断することが大事です。

 
 
これらのリスクの他にもトラブルの原因として、配達員の「データの入力間違え」、また受取人側には「同居人が知らずに受け取っていたが受取人はそれを知らされてなかった」という事例や置き配指定の際に細かく書き込めるコメント欄があまり活用されていないなどの『コミュニケーション不足』が指摘されています。

 
置き配は「個建て(=段ボールや通い箱1つあたりの輸送料)」で稼働する配達ドライバーにとって効率的に稼げる手段となっていて、置き配の解禁により宅配の大きな問題の一つである持ち戻りや再配達が少なくなったのも事実です。お客様がリスクを充分理解した上で置き配を選択してくれることは大変嬉しいことですよね。
ですからお互いのメリットをもっと活かすためにも、配達ドライバーは配送のプロとして「リスクがあるのをわかっていて利用しているのだから」という感覚ではなく、先を見越して大事な荷物が何事もなくお客様の手元に届く配慮を、受取人はこれらのリスクをよく理解しそれをできるだけ避けるための工夫を怠らず、時には各便利な機能を使いこなすなどコミュニケーションを通じて伝えることを忘れてはいけないのだと思います。

 
もともと対面しないで受け取れることが最大の魅力である「置き配」がそれとは逆とも思える「配慮」や「コミュニケーション」を対面の配達よりも必要とするというところが非常に面白いですね。